三葉虫エルラシア

おおまかに5億年前の古生代・カンブリア紀に生息した三葉虫だ。

カンブリア紀は大いに三葉虫が栄え、そのなかでもエルラシアの化石は

多く産出される三葉虫のなかでもメジャーな種である。

 

数多く産出されるエルラシアの化石の中でも

体が大きく損傷したものも知られており、

何者かに捕食された痕跡ともいわれている。

 

この容疑者とされるものは、

当時の10cm以下の動物がほとんどのなか、

メートル級の巨体を有する圧倒的強食者、

 

 

アノマロカリスだ!!

 

三葉虫の硬い殻を噛み砕くほどの捕食者は

アノマロカリス以外に候補がいないというわけだ。

 

しかし、答えはそう単純でもない。

 

実はエルラシアなどの三葉虫の殻は炭酸カルシウムで、

できている。

エビやカニのような甲殻類のように見える三葉虫だが、

その殻はエビやカニなどのキチン質の殻でなく、

アサリやシジミなどの貝殻と同じ成分なのである。

 

つまり、三葉虫の殻は二枚貝の貝殻のように、

カッチカチなのである!!

 

アノマロカリスが、これを噛み砕こうものなら、

その噛み砕く歯も無傷のままではいられないだろう。

 

数あるアノマロカリスの標本のなかで、

アノマロカリスの口にそのような傷は確認されておらず、

また、アノマロカリスの標本の胃の付近にも硬質なものを

食べたという事実も確認されていない。

そもそも三葉虫のような硬い殻を噛み砕くほどの能力がないという

研究も出されている。

 

果たして、エルラシアの化石に残る大きな傷跡は

何者かの捕食によるものなのか?

それともアノマロカリスをも凌ぐほどの捕食者

プレデターXの存在がいたのか!?

 

真相はまだまだ闇のベールに包まれているようだ。