北米大陸のアメリカ合衆国・・・。
この大地で17年に一度のお祭りがあるという・・・。
2007年6月。
大都市シカゴがあるイリノイ州をはじめ、アメリカ中部で
今夏、セミが一斉に羽化し大発生している!
その数は世界総人口を上回る・・・
70億匹!!
そのセミとはコイツだ!
17年ゼミ 属名(Magicicada )
幼虫として土中で17年間を過ごし
17年おきに一斉に数十億匹が羽化するという。
その年だけは昆虫を食べる者にとって
お祭りなのだ!!
みんな、この年だけは
食いっぱぐれることはない!!
そして、このお祭りに便乗して
食べてるという始末だ!
(羽化したての白いヤツが美味いという)
しかし
いくらお祭りでも、ひと夏という短期間で
数十億匹というセミを食べ尽くすのは
はっきりいって不可能である!
そう!
この短期間での圧倒的物量こそが
17年ゼミの生き残り戦略なのだ!!
これで大半は生き残り、素早くたくさんの子孫に残す
という寸法というわけである!!
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■各地域の17年ゼミの発生年■
17年に1度、大発生するセミ。
17年に1度といっても
地域によって発生する年が違うため、
米国全体では
17年の内にどこかの地域で
何度かセミが大発生している。
そして各地域のセミは
年次集団(Brood)と呼ばれ
その集団の中だけで
17年サイクルで繁殖するのだ!
それぞれの年次集団の生息する地域と発生年をまとめた。
↓
この地図でわかるように
今年2007年はBrood13がシカゴあたりで大発生した。
次に17年ゼミが大発生するのは
早々に来年2008年にBrood14がアメリカ東部の広範囲で
発生することになる。
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■なぜ17年周期なのか■
アメリカ合衆国南部には13年周期で大発生するセミもいる。
なぜ、17年、13年周期で大発生するのか。
この13、17という数字は素数だ!
素数とは(1とそれ自身の数字以外の数字では割り切れない数字のこと)
太古にはいろんな周期のセミがいたが他の周期のセミは
絶滅したと考えられる。
たとえば
12年周期、16年周期、そして17周期のセミがいたとしよう。
12年と16年の周期のセミが同時に発生するのは
48年に1度
12年と17年の周期のセミが同時に発生するのは
204年に1度
ということになり計算上、
素数周期のセミは他の周期のセミに出会う機会が
極めて少ないのである。
そして同時に発生するということは
違う周期のセミが交配することとなり、
生まれる子供はそれぞれ
周期のばらつきが出るということになる。
ということは
このばらつきによって、
それぞれ違う年に羽化してしまい
まとめて大発生できないのである。
つまり
セミの生き残り戦略である
短期間圧倒的物量で
素早く大量の子孫を残すことができず、
素数周期でないセミたちは
絶滅したというわけだ!
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↑17年(素数)ゼミのついて
詳しく書かれた本