クラドセラケ  属名(Cladoselache

クラドセラケ

知られる限りの最古のサメ。

4億年前の海に生息していた。

4億年というはるか昔にサメは現れたとされている。


その完成された流線型のボディーラインは

ぶっちぎりの泳ぎ手であることをものがたり、

カミソリのような鋭い歯が並ぶアゴは

海でもっとも恐れられたプレデターだったにちがいない。

そして、そのスタイルは

4億年経った現代も変わることなく、

海の捕食者として君臨しつづけた。

彼らほど成功したグループは他にいるだろうか。


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サメの繁殖法はじつにバラエティーに富んでいる。

その繁殖法は卵生、卵胎生、胎生と、完全網羅だ。


卵生のサメ

そのまま海に卵を産み落とすもの。


ネコザメ  学名(Heterodontus

ネコザメ

卵生のサメはネコザメやナヌカザメなどがいる。

しかしサメの卵は他の魚のような球形の形をしていない!

ネコザメの卵

これはネコザメの卵。長さは15cmほどだ。

この卵を岩の隙間に産みつけ、

このようなスクリューのような形で

流されないように固定するわけだ。

なにせ産卵から孵化するまで1年かかるわけで、

1年間、流され続けては、

どこで孵化するかわかったもんじゃない!


ナヌカザメの孵化

ナヌカザメの卵(孵化中)

このような形から、「人魚の財布」とも呼ばれている。

四隅にある突起物で何かに絡みつき

流されないように固定する。

やはり、

なにせ産卵から孵化するまで1年間かかるため、

1年間流され続けては、

どこで孵化するかわかったもんじゃない!


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卵胎生のサメ

卵で産むのではなく、母親の胎内で卵を産卵し、

孵化してから子供の形で外界の産み落とされる。


シロワニ  学名(Eugomphodus taurus

シロワニ

卵胎生のサメの中には

このシロワニオナガザメのように

胎内にいる胎児が、

母親の卵巣から産卵される未成熟の卵を

食べて成長するのだ!

シロワニの卵食性

この習性を「卵食性」というらしいが、

まるでこれは兄弟を喰らいまくるということになるが、

もともとこれらの卵は胎児に栄養を与える目的の卵

であり、サメ独自の育児法なのだ!


じつにシロワニの胎児はこの卵食性で

1mの大きさまで成長するのだ。

親の大きさは3mくらいなので、

これだけ大きな胎児となると

お産もかなりの大掛かりなものだ。


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胎生のサメ

胎生とはわれわれ人間も含めた哺乳類(有胎盤類)のように

母親の胎内で胎児が「ヘソの緒」を通じて、

母親から養分を受け取り、

ある程度、成長してから生まれるわけだが、

サメの仲間にも哺乳類のように胎生のものがいるのだ!!


オオメジロザメ  学名(Carcharhinus leucas

オオメジロザメ

サメの仲間でもメジロザメの仲間は

母親の胎内に哺乳類のような胎盤に

似た器官ができ、さらに「ヘソの緒」まで

あり、胎児は直接、母親から栄養をもらって

育つのだ!


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魚の繁殖方法はたいていが

「体外受精」というものである。

水中でメスがおびただしいほどの数の卵を産卵し、

オスがその卵たちにめがけて精子をふりかける。


魚は体外受精で繁殖するため

オスの魚にはペニスがないのだ。

いや、ペニスを必要としない。


しかし、サメは水中で過ごす魚の仲間であることに

かかわらず、

オスはペニス(交接器)をもっており、

メスの生殖器に挿入する

「体内受精」を行うのだ。


サメは水棲動物であるが、

繁殖方法は実に陸上動物とよく似ているのだ!


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