ひさびさのハルキゲニたんだよw

さてさて、
これは絶滅した巨大ザメ「メガロドン」!
あのホホジロザメの体格を何倍にも大型にした、伝説の強食者だよね。

 

でも古生物にはさらなる恐ろしそうな名前の奴が!

その名もネオメガロドン」!
メガロドンを新たにカスタマイズされて帰ってきたような強力な名前だけど・・・。

その正体は実は
まさかの二枚貝で拍子抜けw


中生代三畳紀、だいたい2億年前くらい大昔かな。

そんときに生息した二枚貝らしい。

で、なんでこんなたいそうな名前ついちゃったのさ~
って思うところなんだけど

二枚貝は左殻と右殻の2枚の貝殻があるのは言うまでもないんだけど、
その2枚の殻をつなぐ蝶番の噛み合わせる突起を
「鉸歯(こうし)」っていって
これがゴツかったらしい。

メガロドンって「大きな歯」という意味だけど、
ネオメガロドンはその鉸歯が他の二枚貝に比べて大きかったわけだね。
ネオメガロドンは

「厚歯二枚貝」っていう
ジュラ紀後期に現れた中生代特有の二枚貝の祖先らしい。

まあ、この「厚歯」って付くところから、
鉸歯が発達してて、丈夫な殻の蝶番が出来上がっているんだなって感あるけど
丈夫な蝶番のお蔭なのか、殻が立体的で自由すぎる形の厚歯二枚貝が
わんさか登場するわけなんだよね。

巻貝と間違っちゃうでしょ!ってヤツやら、

2枚の殻のうちの一方が異様に分厚くなって
蓋付きのゴミ箱みたいになったやつ。
これが二枚貝って、中身がかなり容量ありそうで、
かなり食べ応えありそうなんだけど、


フタを開けてみると
ゴミ箱部分は空洞がないくらいのかなり厚底で
食べる身はきわめて普通だったという
勝手な思い込みで期待していた自分がいちばん悪いんだけど
だまされた感はぬぐえないよw

厚歯二枚貝には、もうひとタイプいて、
ウシの角のような形もいたんだよね。
こんな形になったのも、速い水流を踏ん張って、海底を横たわる
ためと言われているのはわかるんだけど、
ここまでくると、もう二枚貝の面影すらなくなってしまっているよねw

 

さてさて、
白亜紀も後期に入ると、この厚歯二枚貝が大繁栄しちゃうんだけど、
いっぽうでさ、サンゴ礁がずいぶんと衰退したんだよね。
それと入れ替わるように、大繁栄した厚歯二枚貝が寄り集まって
サンゴの代わりに「礁」をつくったんだよね。


さしずめ「厚歯二枚貝礁」っていったところかな。

大繁栄したとこは、テチス海(現在の地中海がその名残)と大西洋で、
なぜか太平洋だけあまりいなかったみたいなのは謎だけど、


それはさておき、
白亜紀後期の海洋で
サンゴ礁が衰退して、その穴埋めに厚歯二枚貝礁が拡大していったのは、
海水の状況によるのが原因ではないかって言われているんだよね。

サンゴの骨格をつくるのはアラゴナイト(あられ石)で、
それに対して
厚歯二枚貝の殻の主成分は
カルサイト(方解石)でつくられているらしいんだけど、
どちらも炭酸カルシウムという成分でできていて
結晶構造が違うだけらしいんだけどね。

 

それでさ

現在の海と1億年前の海では
ずいぶん状況が違っていて、
海洋無酸素事変を起こすほど海底火山活動が活発からの
二酸化炭素が異様に増えちゃっただの影響かなんかで、
1億年前の海水のカルシウム(Ca)に対してマグネシウム(Mg)割合が
異常事態と思えるほど低く
なったらしい。

現在の海はマグネシウム/カルシウム比が5,2だけど
白亜紀後期1億年前の海は1,0を下回っていたらしく


こういう状況では
骨格や殻がアラゴナイトを主成分とする生物は

うまく育たないんだってさ!

この状況で大繁栄できた厚歯二枚貝は
6600万年前の白亜紀末生物大量絶滅期に絶滅してしまって
時期限定的な大繁栄だったんだけど、
それからは「礁」をつくる造礁生物は現れず、
サンゴ礁がふたたび現在のように復活したのは
海のマグネシウム/カルシウム比が増え始めた
新生代漸新世(3400万年~2300万年前)
かららしい。

 

 

 

そういえば、

あたしの本、

「ハルキゲニたんの古生物学入門・古生代編」

重版決まったよ!

本、買ってくれた方ありがとー!