南米大陸より西へ、はるか960kmの太平洋上。
およそ500万年前に海底火山噴火により
生まれた
19ほどの島と40あまりの小島からなる諸島がある・・・。
そこは進化論発祥の地、
「ガラパゴス諸島」だ!!
すべての島の総面積が静岡県ほどの
この小さな群島に世界最大のカメが棲んでいる。
ガラパゴスゾウガメ 学名(Geochelone elephantopus )
各々の島にこの大亀が棲んでいるわけだが
生息する島によって、甲羅の形が各々違っているのだ。
大まかに2つに分けて
甲羅がドーム状の「ドーム型」
甲羅の前方がアーチ状に盛り上がった「くら型」
がいる。
このように、ゾウガメの甲羅の形状は島によって異なり、
14種類もの亜種が存在するわけだが、
これはもともとは1種だったゾウガメは、
陸続きだった土地が地理的に隔離され、島と島になり
その各々の島の違った環境下でそれぞれ別の種へと分化していったわけだ。
これが■進化論・隔離説■だ。
「地理的に隔離された生物は分化し、別種になっていく」
ドイツ人モーリッツ・ワーグナーが唱えた説だ
では、
各々の島でゾウガメたちはどのように進化するのだろうか。
たとえば、現在、くら型ゾウガメが生息する「エスパニョラ島」では
乾燥した島で、ろくにゾウガメのエサとなる植物が
生えていないが、背の高いウチワサボテンが生えている。
昔、「くら型ゾウガメ」と「ドーム型ゾウガメ」が
棲んでいたと仮定すると
そのウチワサボテンを食べるには
当然、甲羅の形状から「くら型のゾウガメ」が
首を高い位置まで届くので
背の高いウチワサボテンが食べやすく有利なわけだ。
結果、エサにありつけない「ドーム型ゾウガメ」が
次第に数を減らしていったということになる。
これが■進化論・自然淘汰説■だ。
「環境に適応したものが生き残る。」
イギリス人のダーウィンとウォレスが唱えた説だ。
その自然淘汰説とは対照的な進化論がある
それは■進化論・用不用説■だ。
「よく使う器官ほど発達し、使わない器官は退化していく」
フランス人のラマルクが唱えた説だ。
これによると、背の高いウチワサボテンを食べるために
首を高い位置に上げようと努力していき、世代を重ねるうちに
次第に甲羅の形が「ドーム型」から「くら型」へと変えていったということだ。
自然淘汰説はその環境にたまたま相性がよく、生き残った「結果」
用不用説はその環境にうまく順応するため生き残ろうとする「目標」
といった感じで対照的だ。
今では用不用説は否定されている。
いくら体を鍛えて体格が良くなっても、遺伝子に変化はないし、
そこから体格の良い子供が生まれるというわけではないからだ。
ということは
生物の進化は自らの意志で進むものではなく、
常に環境に対して受身であるということになる。
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